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掃除はしなくても死なない

子供の頃、母親と会話をして言ったことがある。

その当時の私は料理はお手伝いまでで、しかも年齢が上がるとともに手伝いも嫌で全くしなかったので、「料理できる人と結婚するもん!」とか、夢物語を口にしていた。

 

私は24歳まで実家暮らしをしていた。

10代の頃から「25には家を出てね」と母親に言われており、今思うと脅しでも追い出しにかかっているわけでもない、単純に実家依存せず自立しろという意味合いの発言だったのだろうけど、根がバカな意味で真面目な私は25までに家を出ないとと思って、24の時に暮らす部屋を見つけて書類を揃えて父親にハンコを請求した。

この時の父親はどんな気持ちだったのだろう…少なくとも父親から自立しろの一言も言われたことがない。

父親は特に何も言わず、ハンコをしてくれた。引っ越しも手伝ってくれた。実家から車で20分ほどの場所だが、父親が私の一人暮らしの部屋に来たのは、母親が入院する時の別世帯の保証人のサインが欲しくて来た時一度だけである。

 

以前にちらりと書いたが、私は契約社員として働いている。ありがたいことにボーナスも年2回支給され、贅沢をしなければ貯金しながら一人暮らしをするに足りる給料を得ていた。

一応、一人暮らしを始めるにあたってどれくらい月にかかるか計算した。一番大事にしたのは会社に近いこと、それからネットができること。

裕福ではないけれど、自分だけのための一人きりの空間は最高だった。 

 

 実家暮らしの20代の頃、祖母が入院し、母親が手伝いをするために少々不在がちになった。私はバカな意味で真面目なので、母親と祖母が出来ない分、料理をしないといけないと思い込んだ。

それから実家を出るまで週に何度か私が当番をした。

今思うとあまちゃんだし、して当たり前だと思うのだけど、私はすごくやってやってる感があったと思う。料理も洗濯もしない父親と兄弟がいたからそんな気持ちになるのは仕方がない。

私は全く料理ができない人だったので、料理本を見ながら頑張った。

とはいえ本を見ながらの料理なので、量の調節ができない。母親から年月が経って聞かされたが、父親と兄弟は、足りないイマイチと思いつつも全く文句を言わなかったらしい。言ったら作ってくれなくなるからと。

文句を言うなら食うな。よく言っていた記憶がある。

 

一人暮らしを始めてからは自炊をした。少ない給料で豊かな生活をおくるためである。

残業なし、時間にある程度余裕がある仕事だから出来たと思う。食に対する強いこだわりもないので、野菜多めの食事を心がけるくらいで味を変えて毎日同じものを食べた。

レパートリーはさほど増えなかったが、作り置きをいかに手抜きで作るかということに情熱を捧げた。

それは現在に役立っている。

 

そういう経緯で料理はすることに抵抗がなくなった。

しかし問題が残る。

 

私は掃除が苦手である。

食事はしないと死ぬし、洗濯はしないと汚いし臭いからしなければならない。

しかし掃除はしなくても死なない。だからしない。

 

掃除らしい掃除を、一人暮らしをしていた数年でした記憶は片手に収まる。

ゴミが出たらちゃんとゴミ箱に捨てたし、ゴミも週に一度出していたし、人が来るような部屋ではなかったので、困らなかった。

基本的に、困り始めたら掃除を仕方なくしていた。

 

お風呂の排水口は流れが悪くなったのに気がついた時にはじめて掃除をした。住み始めて数年経っていたと思う。びっくりするような汚れを目にしてしまった。目が汚れる。

水口ネットなどはめて髪の毛を集めるようにして、パイプクリーンの洗剤を流し、掃除の回数を減らす努力をした。

台所の流しはさすがに定期的に洗っていたが、一般人から見れば掃除が足りないレベルだと思う。週に一度していたら良かったかな?

掃除機はかけなかった。持っていないもの。その代わりフローリングモップとコロコロとハンディワイパーで対処をした。大丈夫、病気にはなりません。

テレビで見るような汚部屋なるまいと、服は床に置かない。使ったものは元の場所に戻す。このくらいは徹底した。

だから基本的に困っていなかった。大丈夫、本当に、大丈夫。

 

ところで現在育休中の私なのだが、結婚してから掃除はどうしているのか?

答えは簡単だ。私は、掃除をしていない。

掃除の全てを夫が担ってくれている。なんと夫は、お掃除王子(笑)だったのである…。

午前様が続いて、ようやくの休みの日の朝から掃除機をかけるのだ。家具をどかして掃除機をかけ、玄関とベランダの掃き掃除、季節の節目には窓掃除が加わる。

夫の掃除姿は私からすれば信じられないレベルだ。これを世の主婦は当たり前でしているのか?私には到底出来ない…ストレスでハゲるかもしれない。

信じられない!本気で変態だと思う。 

 

全く手伝わないのも共同生活をするものとしてどうかと思うので、手を添えるレベルで手伝うが、基本ノータッチだ。あとでやっておこうと放置して忘れるのが私の常だが、気がついたら家中キレイになっている。妖精さんがこの家に住んでいるのだ。

 

その代わり夫は料理が苦手だ。

私の手抜きしかない料理をありがたがってくれる。自分でイマイチ感想しか出ない時でもおいしいとしか言わない。どこで訓練されたのかね。

 

得手不得手の分業がうまい具合にできるのは、本当に幸せなことだ。

 

息子には掃除も料理も当たり前のことだと仕込みたい。そして将来の伴侶に感謝し、感謝される人になって欲しい。

夫の姿を見て育てば、大丈夫だと思う。